キャンパー必見!ガスストーブのメリットとデメリットを徹底解説!

  • 2023年11月28日
  • 2023年11月28日
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ガスストーブはキャンプ用ヒーターとして高い人気を誇る器具です。火加減を調整しやすい・持ち運びしやすいなどのメリットがありますが、一方で二酸化炭素の排出量や安全面などに懸念があります。

キャンプ用ストーブには様々な種類がありますが、メリットだけでなくデメリットも押さえたうえで選ぶことが大切です。この記事では、ガスストーブについて、メリット・デメリット、他の燃料と比較したときの特徴などを解説します。

ガスストーブの使い勝手のよさと便利さ

ガスストーブとは名前の通り、ガスを燃料とする暖房器具です。手軽さと使い勝手のよさが魅力的で、キャンプに持っていきたい器具の1つとして挙げられます。

ここでは、ガスストーブのメリットについて、使い勝手のよさと便利さの面から解説します。

点火が容易

ガスストーブのメリットの1つは、点火が容易な点です。

多くのガスストーブはガス缶をセットし、ボタンやレバーを下げるだけで簡単に点火します。商品によってはライターなどを近づけて点火が必要なものもありますが、特別なテクニックは必要ありません。使用前に必要なメンテナンスも簡単で、内部の汚れをふきとってほこりを取り除く程度で済みます。

キャンプ用の燃料として石油や薪も挙げられますが、ガスストーブに比べて必要な工数が多く、点火も難しいです。石油ストーブは使用前後にメンテナンスが必要なうえ、ストーブに給油もしなければなりません。薪は調達や薪割りといった工程が必要であり、点火にもコツが求められます。

点火が容易で工数も少ないガスストーブは、手軽に使えて便利な暖房器具といえるでしょう。

火加減を調整しやすい

ガスストーブは点火だけでなく、火加減の調整も容易です。

細かな仕様は商品によって異なりますが、基本的にはつまみをまわす、レバーの位置を変えるだけで火加減を調整できます。消火もスイッチをオフにするだけで簡単です。そのときの気温に合わせた丁度よい火力にできるでしょう。

また、五徳がついたストーブであれば、ストーブの上で簡単な料理もできます。料理に合わせて火力を調整できるため、火加減による失敗のリスクが低いです。暖房器具としてだけでなく、調理器具としても使い勝手のよいアイテムといえるでしょう。

持ち運びしやすい

持ち運びがしやすい点も、ガスストーブの大きなメリットです。

ガスストーブにはガス栓につないで使う室内用と、ガス缶を使うポータブルタイプの2種類があります。このうちキャンプで使うのはポータブルタイプのガスストーブです。ポータブルタイプのガスストーブはサイズがコンパクトで軽い商品が多いため、手軽に持ち運びが可能です。

また、ガスストーブの燃料であるガス缶も持ち運びが容易です。ガスストーブ本体と燃料をあわせても場所をあまりとらないため、荷物の量を抑えられます。

荷物を最小限にしたい・手軽に持ち運びができる器具を選びたい人には、ガスストーブがおすすめです。

ガスストーブの燃料の安全性と経済性

ガスストーブは名前の通りガスが燃料です。ここでは、ガスの特徴や、キャンプで使うその他の燃料との違いについて解説します。

ガスの特徴

ガスストーブの燃料であるガスの主な特徴として、以下の3点が挙げられます。

  • 持ち運びがしやすい
  • 点火・火力の調整が容易で扱いやすい
  • パワーが弱め、部分的に暖めるのに適している

持ち運びや調節が容易で、初心者でも扱いやすい燃料です。燃料である以上もちろん使い方に気を付ける必要はありますが、他の燃料に比べると注意するべき点は少なめ。使い方のポイントさえ守れば安全性が高いといえるでしょう。

また、ガスストーブに使うガス缶はCB缶とOD缶の2種類があります。それぞれの特徴について解説します。

CB缶

CBとはカセットガスボンベの略です。家庭用ガスコンロをはじめ、様々な場面で使われています。

CB缶はコンビニやスーパーでも売っているため、他の燃料に比べて入手しやすいです。商品にもよりますが、比較的安く買えるものが少なくありません。

CB缶の大きなデメリットは低温環境に弱い点です。寒い時期や寒い場所でのキャンプでは、火力が弱い・火が付きにくい恐れがあります。低温環境でなければそれほど問題なく使えるでしょう。

OD缶

ODはOutDoorの略で、名前の通りアウトドア目的のガス缶です。

OD缶はCB缶よりも火力が強く、寒冷地でも安定して使えます。寒い時期のキャンプではOD缶がおすすめです。アウトドア目的の燃料であるため、OD缶用のギアやガスストーブが多いというメリットもあります。

OD缶の大きなデメリットは、入手性の低さと価格の高さです。CB缶はコンビニをはじめ身近な店でも売っていますが、OD缶を買うにはホームセンターやアウトドアショップへ行く必要があります。また、キャンプで使う燃料の中で最もコストが高いです。

その他の燃料との比較でみられる安全性・コストパフォーマンス

まず、キャンプで使うガス以外の燃料について簡単に紹介します。

  • 灯油:入手しやすくコストパフォーマンスがよい。一方、メンテナンスの難しさや安全性の低さがデメリット
  • ホワイトガソリン:アウトドアで使うガソリンで、火力が強い・ギアが豊富といったメリットがある。揮発性が高くこぼしたときに引火する恐れがあるため、取り扱いには特に注意が必要。CB缶や灯油に比べて入手しにくい

これらの違いを押さえたうえで、CB缶・OD缶・灯油・ホワイトガソリンの安全性・コストパフォーマンスのよさを以下の表にまとめました。

安全性コストパフォーマンスその他特徴
ガス(CB缶)
点火・火力調整が容易で高度なメンテナンスは不要、こぼれる・引火するといったリスクも低い
○比較的安い火力が弱い、低温環境に弱い
ガス(OD缶)◎CB缶と同様△キャンプで使う燃料の中で最も高価入手できる場所が限られている
灯油△煤(すす)が発生する可能性が高くこまめなメンテナンスが必要、点火・火力調整の難易度がガス缶に比べて高い◎最も安価な燃料ガソリンスタンドでも販売されており入手しやすい
ホワイトガソリン×揮発性が高く引火のリスクが最も高い、扱いに細心の注意が必要○CB缶よりやや高め火力が強く低温時でも使いやすい

ガスはCB缶・OD缶ともに安全性が高めの燃料です。コストパフォーマンスはCB缶とOD缶での違いが大きく、CB缶は中程度ですが、OD缶はコストパフォーマンスが低めといえるでしょう。

ガスは安全性を重視する人におすすめです。コストパフォーマンスを重視するのであれば、CB缶または灯油が向いています。

ただし、安全性・経済性だけでなく、入手のしやすさや火力の強さといった違いも押さえたうえで選ぶことが大切です。

ガスストーブの環境への影響と持続可能性

ガスストーブに限らず、燃料を使うときに気になるのが環境への影響です。ここでは、ガスストーブによって排出される二酸化炭素の量や、持続可能エネルギーへの切り替えについて解説します。

排出される二酸化炭素の量

まずは燃料の種類別に、排出される二酸化炭素の量を紹介します。一口に燃料といっても様々な種類がありますが、今回はキャンプで使う可能性のある燃料に絞って取り上げました。

排出係数単位当たり二酸化炭素排出量
ガス(液化天然ガス)0.0135 tC/GJ2.698 kg-CO2/kg
ガソリン0.0183 tC/GJ2.322 kg-CO2/l
灯油0.0185 tC/GJ2.489 kg-CO2/l
原料炭0.0245 tC/GJ2.596 kg-CO2/kg
一般炭0.0247 tC/GJ2.409 kg-CO2/kg
環境省 燃料別の二酸化炭素排出量の例

それぞれの燃料を使って同じ熱量を得ようとしたとき、排出される二酸化炭素の量が最も少ないのは液化天然ガスです。

再生可能エネルギーへの切り替えの可能性

地球温暖化問題の深刻化に伴い、環境に優しい再生可能エネルギーへの注目度が高まっています。これまで紹介した燃料はいずれも燃焼により二酸化炭素の排出が起こりますが、キャンプ燃料を再生可能エネルギーに切り替えることはできるのでしょうか。

個人のキャンプで燃料を再生可能エネルギーへ切り替える方法が、ソーラーパネルの活用です。折りたたみ式で持ち運びできるタイプのソーラーパネルを使えば、二酸化炭素を排出せずに熱や電気を起こせます。

ただし、パネルに蓄電機能がなくポータブル電源と併用する必要があるため、燃料を使う場合よりも荷物が多くなりがちです。また、天気が悪く太陽が出ていないときは使えません。
このように安定性や手軽さの面で課題はありますが、キャンプで使う燃料を再生可能エネルギーへ切り替える選択肢はあるでしょう。

ガスストーブの注意点

最後に、ガスストーブを使ううえで押さえておきたい注意点を紹介します。

ガスストーブは他の燃料に比べて安全性が高いと紹介しましたが、危険性がゼロなわけではありません。特に風の強い日や低温環境で使う際は、通常よりも取り扱いに注意する必要があります。

まず、風が強い日はストーブが安定しにくいです。万が一火がついている状態でガスストーブが倒れてしまえば、引火して火事や事故につながる恐れがあります。ガスの安全性が高いのはこぼれにくくメンテナンスが容易なためであり、火がついた状態での危険性は他の燃料と同じです。

また、ガスは低温環境に弱く、火が消えてしまう恐れがあります。思うように火がつかない・不完全燃焼となってしまう事態も起こり得ます。

ガスは春~秋といった極端な寒さにはならない時期や風が穏やかな日、平地でのキャンプには使いやすい燃料です。一方、冬・寒冷地・高山といった特殊な環境での安定性には懸念があります。低温環境にも強いOD缶を使う、高山でも安定して使えるギアを選ぶなど方法はありますが、あえてガスを使うメリットは小さいでしょう。

「ガスは安全性が高い」と油断すると、環境要因によって思わぬトラブルに遭う恐れがあるため注意が必要です。ガスならではのデメリットや課題を押さえて、適切な燃料を選ぶ必要があります。

まとめ

ガスストーブのメリットとして、点火や火加減の調整が容易・持ち運びしやすい点が挙げられます。また、ガス缶は他の燃料に比べて安全性が高いため、比較的安心して使えるでしょう。もちろん、正しい使い方をする、必要なメンテナンスを怠らないといった注意は欠かせません。

また、低温環境に弱い、他の燃料に比べて火力が弱いなどのデメリットもあります。キャンプをする時期や環境によっては、かえって使い勝手が悪くなるかもしれません。

ガスストーブのメリット・デメリットを十分に押さえたうえで、自分に合うものを選び、安全に注意して正しく使いましょう。

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