「キャンプでいつも虫対策に悩んでいる」「キャンプをしたいけれど虫が怖くて不安」などのお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
キャンプを快適に楽しむためには、虫対策が欠かせません。防虫グッズを上手く活用したり、環境整備をしたりすることで、虫関連のトラブルに遭遇する可能性を大きく軽減できます。この記事では、キャンプの虫対策について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
防虫対策グッズで快適にキャンプを楽しむ

はじめに、防虫対策グッズの種類と、それぞれの効果や使う場面、注意点について解説します。
虫除けスプレー

虫除けスプレーは肌に直接吹きかけて使うグッズです。使い方が容易、対応できる虫の種類が多い、満遍なく吹き付けられるといったメリットがあります。
ただし、肌が弱い人は肌が荒れる恐れがあるため注意が必要です。キャンプに行く前に自宅等で試し、問題なさそうであれば使うのがよいでしょう。肌質や体質の都合からスプレーを使うのが難しそうな場合、スプレーは避け、虫除けシールや虫除けリングを使うのが安心です。
虫除けスプレーを使う際は、必ず商品に記載されている注意事項や注意点を確認してください。また、目や口に入らないように注意する必要もあります。
虫除けアロマ・線香
虫除けアロマや線香はテントの周辺に設置し、香りや煙で虫を遠ざけるグッズです。置くタイプや吊るすタイプなど様々な種類があるため、使いやすいものを選びましょう。
なお、香りや煙が出るグッズは、他のキャンパーの迷惑になる恐れもあります。人が多い場所や食事の時間帯は使わないなど、周囲への配慮が必要です。
モスキートネット
モスキートネットは細かい網目状のネットで虫の侵入を防ぐアイテムです。空間を囲って使うアイテムではありますが、網目状のため通気性がよく快適に過ごせます。また、匂いや光などは出ないため、周囲の迷惑になる心配もありません。
デメリットとしては、設置に少し手間がかかる点が挙げられます。キャンプでいきなり使うのではなく、自宅で設置を試すのがおすすめです。
虫除け装備
肌の露出を最小限に抑えることも大切です。夏場のキャンプでも、なるべく肌を露出しないよう工夫しましょう。
虫除け装備のポイントとして、以下の3点が挙げられます。
- 長袖・長ズボンが基本
暑い時期のキャンプでも長袖・長ズボンがおすすめです。 - 白や薄い色を選ぶ
黒や濃い色は虫を寄せ付けやすいです。白や薄い色を選びましょう。 - 素材選びも工夫する
冷感加工が施された服や通気性のよい服を選べば、暑さがこもりにくく快適です。肌の露出は抑えつつも、涼しさを感じられる服を選んでください。
ライト
虫は明るい場所に集まる傾向です。テントから少し離れた場所に、キャンプスペースで使うものよりも明るいライトを設置すれば、キャンプスペースに虫が集まるのを防げます。ライトの数を増やせば虫も分散して不快感を抑えられるでしょう。キャンプスペースを照らす用とは別に、虫除け用の明るいライトを用意してください。
防水性アイテムで虫から身を守る

虫除け対策には防水性のアイテムが有効です。湿気の多い環境は虫が出やすいため、キャンプスペースやアイテムの防水対策が欠かせません。また、キャンプ向けアイテムの中には、防水と虫除け両方の効果がある商品も多く見られます。
ここでは、防水性で虫除け効果のあるアイテムの例を紹介します。
防水コーティング剤
防虫対策・防水対策のためには、防水コーティング剤が使われたテントやアウトドア用品を選ぶのがおすすめです。商品説明に「防水加工」「撥水加工」と記載のあるものは、防水コーティング剤が塗布されていると考えてよいでしょう。
防水コーティング剤は耐久性・持続性に優れており、長く効果を発揮し続けます。ただし、効果を維持し続けるためには適切なメンテナンスが欠かせません。汚れはすぐに拭く・濡れっぱなしにしない・濡れた後は陰干しする等の手入れが必要です。効果が落ちてきたら、塗るタイプの防水材を使うのもよいでしょう。
防水スプレー

防水スプレーは手軽に使用できる点が大きなメリットです。防虫効果のあるスプレーを選べば、防水・防虫の両方で大きな効果が期待できます。
防水スプレーは大きく2種類に分けられ、それぞれ特徴が異なります。
- フッ素系
フッ素樹脂を主成分とするスプレーです。水だけでなく油をはじく性質もあります。テントにかけても通気性を損なわないため快適に過ごせます。ただし後述するシリコン系スプレーよりも価格が高めです。 - シリコン系
撥水性シリコン樹脂を主成分とするスプレーです。コスパがよく、撥水効果が長く続く点がメリットとして挙げられます。一方、成分の性質上スプレーが少し生地にしみこんでしまうため、通気性を妨げ、素材変質の恐れがあるなどのデメリットがあります。
防水シート
防水加工の施されたグランドシートも防水・防虫対策として便利なアイテムです。
そもそもグランドシートとはテントの下に敷くシートで、地面から冷気が伝わったり、テントが浸水したりするのを防ぐ効果があります。また、テントの底にキズや汚れがつくのを防げる点もメリットです。
グランドシートには耐水圧という、水漏れのしにくさを示した数値が記載されています。キャンプなどのアウトドアでは耐水圧1,500mm以上あるものがおすすめです。なお、耐水圧が上がるほど重さや価格も上がります。
環境整備で虫の侵入を予防する

ここまでは、防虫アイテムを使った虫対策を紹介しました。より効果的な防虫対策のためには、防虫アイテムの使用と合わせて環境整備を行うことも大切です。テント周りの環境整備を行えば、虫の侵入を防いだり、テント周辺の虫を減らしたりする効果が期待できます。
キャンプ場で実施したい環境整備を3つ紹介します。
テント周りの清掃
虫を寄せ付けないためには、テント周りをこまめに清掃して清潔な状態を保つことが大切です。
大前提として、食べ物や飲み物のゴミを放置するのは厳禁です。容器を水洗いして捨てる、もしくは匂いが出ないよう蓋の付いたゴミ箱に入れるとよいでしょう。洗い物も放置せず、なるべく早く済ませる必要があります。
テント内やキャンプ用品に付着した水や油も、虫を寄せ付ける原因になるため、こまめに拭くのがおすすめです。
また、甘い香りも虫を寄せ付けやすいので注意してください。香水や柔軟剤も甘い香りの物は虫を寄せ付ける恐れが大きいため、キャンプのときは使うのを避けましょう。食べ物や飲み物で甘い香りが染みついた場合には、すぐに消臭対策をするのが安心です。
なお、虫が嫌う香りとして、ハーブや柑橘系が挙げられます。
水たまりの処理

虫は湿気のある場所や水辺に集まりやすいです。そのためテントを設営する際は、水たまりのある場所を避ける必要があります。
とはいえ、前日の天気や環境によっては、水たまりが完全にゼロの場所が見つからないケースもあるでしょう。そのような場合、テントの設営前に水たまりを処理するのがおすすめです。スコップやシャベルで水を除去したり、スポンジで吸水したりして対策してください。
虫の巣の撤去
虫の巣を撤去すれば、周辺の虫を大きく減らせるでしょう。殺虫スプレーを使って一気に虫を駆除するのも効果的です。
ただし、虫の巣の撤去は危険が伴う恐れもあります。特に蜂やアブのように人間を刺す虫は非常に危険です。無理に撤去しようとせず、キャンプ場のスタッフに知らせる、テントの場所を変えるといった対策を行いましょう。
蜂やアブ以外の虫でも、素人が巣を撤去するのはリスクがあります。巣の撤去は効果的な方法ではあるものの、無理に行うのは避けるのが無難です。
自然由来の虫除け方法と注意点

自然由来の虫除け方法も一つの選択肢です。ここでは、虫除けに効果のある自然素材と使い方・注意点を紹介します。
ハーブ

ハーブは虫が嫌う香りの一つです。ハーブを上手く活用することで、テント周辺に虫が寄ってくるのを防ぐ効果が期待できます。人間にはリラックス効果があるのも嬉しいポイントです。
キャンプ場での防虫対策におすすめのハーブを4種類紹介します。
- レモンユーカリ
主成分のシトロネラールは蚊の対策に効果があります。乾燥したレモンユーカリの葉でサシェを作り、テント周辺に置くのがおすすめです。 - ヨモギ
和のハーブといわれるヨモギにはシオネールという成分が含まれており、虫の忌避効果が期待できます。焚き火にヨモギの葉をくべる方法が手軽です。 - レモングラス
レモングラスは葉の切り口から忌避効果のある香りが発揮します。切ったレモングラスを器に入れ、テントの周りに設置しましょう。 - ペパーミント
独特のメンソール臭に虫の忌避効果があります。乾燥させたペパーミントの葉を布袋などに入れて上から手でもみほぐすと、香りが強く出て虫除け効果が発揮されます。
精油
精油(エッセンシャルオイル)は植物から抽出される揮発性・芳香性のある液体です。鎮静作用やホルモン調整作用など、植物によって異なる効果があります。
前述したハーブと同様、香りによって虫対策が期待できる方法です。
精油の使い方を3つ紹介します。
- アロマディフューザー
アロマディフューザーとは精油の香りを拡散させる道具です。精油をタンクやボトルに入れるだけで使えます。キャンプ場で使うのであれば、火や電気を使わないタイプが便利です。 - スプレー・ミスト
エタノール・精製水・精油を混ぜてスプレーを作るのもおすすめの方法です。使う精油の種類や量を調整すれば、お好きな香りのスプレーにできるでしょう。 - キャンドル
精油を使ったアロマキャンドルなら、電気不要で手軽に利用できます。優しい香りと心地よい香りでおしゃれな雰囲気の演出にも役立ちます。ただし火を使うため、使い方や置く場所に注意が必要です。
まとめ

自然豊かな環境の中で行うキャンプにはどうしても虫のリスクがあります。快適で楽しいキャンプにするためには、防虫対策が欠かせません。防虫対策をするか否かによって、虫によるトラブルのリスクの大きさが変わります。
今回紹介した防虫対策は、いずれも簡単ながら効果的な方法です。ご自身に合った防虫対策を行い、快適なキャンプを楽しんでください。