薪に関するディープな情報!広葉樹と針葉樹の違いは?キャンパー御用達の薪メーカーも徹底比較

  • 2023年12月8日
  • 2023年12月8日
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「キャンプに使う薪ってどれを選べばよい?」「薪はどれも同じに見えるけれど違いがあるの?」など、疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

薪はキャンプに欠かせないアイテムの一つです。一口に薪といっても、種類やメーカーによって特徴が大きく異なります。どのような薪を選ぶか、そして薪を上手く活用できるかどうかが、キャンプの満足度に影響するといえるでしょう。

この記事では、キャンプで利用する薪について、選び方や使い方を詳しく解説します。

広葉樹と針葉樹の特徴と薪としての利用方法

キャンプで使う薪は大きく広葉樹と針葉樹の2種類です。それぞれについて解説します。

広葉樹

広葉樹の代表格として、ナラやクヌギ、カシが挙げられます。広葉樹は後述する針葉樹に比べると流通量が少なめですが、ナラやクヌギは比較的手に入りやすいでしょう。

広葉樹の特徴と適した使い道を紹介します。

広葉樹の特徴

広葉樹の主な特徴は以下の3つです。

  • 樹皮がゴツゴツしていてズッシリとした重さがある
  • 燃焼時間が長く火力に安定感がある
  • 針葉樹より着火しにくい、堅さがあるため割るのが難しいなどの理由から上級者向け

広葉樹の使い道

特徴で紹介したように、広葉樹の薪は燃焼時間が長く火力が安定しやすい点が強みです。そのため、長い時間ゆっくり焚き火を楽しみたい場面や調理時に適しています。

ただし、針葉樹よりも着火しにくいため、焚き火の最初に使うのには適していません。スムーズな着火と安定性を両立するため、焚き火のはじめは針葉樹を使い、火が安定してから広葉樹の薪をくべるのがよいでしょう。

針葉樹

針葉樹の代表格としてスギやヒノキ、マツが挙げられます。広葉樹に比べると安価で、流通量が多いため購入しやすい種類の薪です。

針葉樹の特徴と適した使い方を紹介します。

針葉樹の特徴

針葉樹の特徴として、以下の3点が挙げられます。

  • 皮が薄く柔らかいため、割る、削るといった加工がしやすい
  • 油分が多く含まれており燃えやすい
  • 燃焼時間が短めのため長く焚き火を楽しみたい場面では向かない

針葉樹の使い道

針葉樹は油分が多く燃えやすいため、焚き火の燃やしはじめに最適です。焚き火経験があまりない人でもスムーズに着火できるでしょう。ただし、燃焼時間が長くないため、安定した焚き火を長時間楽しむためには広葉樹の薪も使うのがおすすめです。

また、柔らかく加工しやすいため、DIYで薪作りを楽しむ場面にも適しています。

薪メーカーの比較と選び方のポイント

薪の購入にあたって製品やメーカーの選び方も押さえたい要素です。ここでは、薪メーカーを比較するうえでチェックしたい点や選び方のポイントを紹介します。

製品の品質

薪の品質は燃えやすさや火力の安定感を大きく左右する要素です。

大前提として、品質のよい薪を見極めるためのポイントは、乾燥と含水率(水分量)です。一般的に、含水率20%前後の薪は質がよいといわれています。乾燥前の薪の含水率は30~50%程度ですが、これほどの水分量では上手く燃えません。たとえ高級樹種に該当する薪であっても、含水率が高いものは質がよいとはいえないため、注意してください。

乾燥を丁寧に行っているメーカーの製品であれば、焚き火に適している可能性が高いでしょう。

なお、乾燥した薪を見分けるポイントは、以下の3つです。

  • 薪を持つと見た目よりも軽く感じる
  • 色が濃く、薪の断面に細かなヒビが見える
  • 叩くと「コンコン」と澄んだ高い音が聞こえる

耐久性

薪の耐久性は原材料の樹そのものではなく、管理方法および薪を作ってからの経過時間によって左右されます。

薪の管理で大切なのは通気性をよくすることです。通気性が悪い状態で保管をすると蒸れを起こし、薪の含水率が上がってしまいます。前述のように薪はしっかり乾燥させることが大切です。メーカー選びでお悩みであれば、メーカーの公式サイトなどで管理方法を確認するのがよいでしょう。

また、薪に明確な使用期限はないものの、割ってから5年以上経過したものは火力に難があるといわれています。そのため、薪を作るペースや作った時期などを公開しているメーカーが安心です。

価格帯

薪の価格は使用する樹種によって大きく変わります。高級樹種と呼ばれるものや特別な産地の樹で作られた薪は価格が高めです。希少性が高い樹を中心に扱うメーカーの薪は、必然的に価格帯が高くなる傾向があります。

ただし、希少性の高い樹で作った薪を安く販売しているメーカーもあります。安く販売している場合、薪作りの工程におけるコストカットを実現しているケースが少なくありません。コストカットにつながる方法の具体例として、安価に仕入ができる独自ルートの活用や自社での原木調達等が挙げられます。

なお、どの価格帯を選ぶかはご自身の予算や考え方次第といえるでしょう。価格帯はメーカーを比較する際の基準の一つとして捉えるのがおすすめです。

入手性

メーカーごとの生産量や物流によって入手性が大きく異なります。生産量が多く、ホームセンターなどへの販売を多く行っているメーカーであれば、入手性が高く購入しやすいです。一方、生産量が少ない場合は特定の店舗でしか購入できず、入手性が高いとはいえません。

入手しやすさを重視するのであれば、ホームセンターなどで販売されているメーカーの薪を選ぶのがおすすめです。

薪の適切な乾燥方法と保管のコツ

前章で少し触れたように、薪の質は含水率によって大きく左右されます。薪を効果的に使うためには、適切な乾燥と保管が必要です。ここでは、薪の適切な乾燥方法と保管のコツを紹介します。

薪の乾燥方法

既に紹介したように、薪の理想的な含水率は20%前後です。一方、伐採前の樹の含水率は50%以上、未乾燥の薪の含水率は30~50%程度と、そのままでは焚き火に使えません。乾燥前の薪を購入した場合、使用する前に必ずしっかり乾燥させる必要があります。

薪を乾燥させる際のポイントは以下の3つです。

  • 日当たりや風通しがよい場所で乾燥させる
    通気性の悪い場所では湿気が溜まり乾燥させることができません。
  • 少なくとも半年以上は時間をかける
    通気性のよい場所であっても、含水率が下がるまでにはどうしても時間がかかります。最短でも半年以上は乾燥させましょう。
  • 水分計を使って含水率をチェックする
    前章で乾燥した薪を見分けるポイントを紹介しましたが、見た目だけで判断するのは簡単ではありません。ご自身で薪を乾燥させる場合、水分計を使って含水率をチェックするのが安心です。

乾燥が甘い薪は不完全燃焼を起こす恐れがあり危険です。キャンプを安全に楽しむためにも、ポイントを押さえて正しい方法でしっかり乾燥させましょう。

保管のコツ

時間をかけてしっかり乾燥させた、乾燥した薪を購入した場合でも、保管方法によっては含水率が上がってしまう恐れがあります。含水率の低さを保つため、保管の仕方にも注意してください。

薪を保管する際のコツを3つ紹介します。

  • 通気性のよい場所で保管する
    薪の保管は蒸れて湿気がこもるのを防ぐことが何よりも大切です。風通しのよい場所で保管しましょう。
  • 地面に触れないようにする
    薪が直接地面に触れた状態では地面からの湿気が移ってしまい、風通しがよい場所でも含水率が上がってしまいます。薪ラックやスタンドを使い地面から離して保管しましょう。
  • 長く放置しすぎない

薪の使用期限は3~5年程度で、5年以上経ったものは火力面に懸念があります。保管しっぱなしにならないようご注意ください。

薪作りの基本とアイデア

販売されている薪製品は大・中割りされたものが多く、そのままでは着火しにくく上手く焚き火ができません。太い状態の薪の場合、焚き火の前に自身で薪割りをする必要があります。

薪割りが不安、なるべく避けたいという場合、既に小分けされた薪や薪割り不要の焚き火台などを使うのも一つの手段です。しかし、薪割りは日常生活でなかなかする機会のない行為であり、キャンプならではの楽しみといえるでしょう。難しそうなイメージをお持ちの人も多いかもしれませんが、複雑な工程はありません。

ここでは、DIYで楽しむ薪作りの基本として、薪割りに使う道具や薪割りの方法を紹介します。

薪割りの道具

薪割りに使う道具は、主に以下の3つです。

  • 手斧
    薪割りに使うアイテムの代表格です。長さ30~40センチほどのサイズが使いやすいでしょう。
  • 鉈(なた)
    手斧と同じ要領で使える道具です。手斧よりも刃が広いため注意する必要があります。
  • ナイフ
    斧や鉈に比べて薪を細かく割ることができます。細かい薪ほど着火しやすいため、焚き火の最初に使う薪を作るのに便利です。

また、薪割り台があると安定感が上がり薪割りをしやすくなります。地面や芝生を傷める心配もなく安心です。

薪割りの方法とポイント

薪割りの方法とポイントについて、使う道具別に詳しく解説します。

手斧

手斧を使った薪割りの流れは以下の通りです。

  1. 手斧を薪の木口に軽く当てる
  2. 手斧の背中部分を別の薪で叩き、手斧の刃を食い込ませる
  3. 薪の底を地面または薪割り台に叩きつける

叩くうちに手斧の刃が薪の中に入り込んでいきます。最後まで斧を入れる必要はなく、ある程度割れればあとは手で簡単に割ることが可能です。

なお、斧を振り下ろす割り方もありますが、難易度が高く、慣れた人でないと危険な方法です。安全かつ確実な薪割りのため、刃を食い込ませて薪を叩く方法をおすすめします。

鉈を使った薪割りも、基本的には手斧と同じ要領です。薪の木口に刃を入れ、薪を地面に叩きつけて鉈を入れていきます。鉈は刃が広いため、刃の背を別の薪で叩く方法でも薪割りができます。

鉈は薪割り以外に、枝打ち、薪を削る、雑草を刈るといった場面にも活用できます。

ナイフ

ナイフで薪割りをする場合は、バトニングナイフを使うのがおすすめです。バトニングは薪をナイフで割ることを意味する言葉であり、文字通り薪割り用のナイフ。一般的なナイフよりも少し刃が大きめである点が特徴です。

ナイフを使った薪割りの方法を紹介します。

  1. 木口にナイフの刃を当てて食い込ませる
  2. ナイフの背を別の薪で叩く

ナイフを使うメリットとして、薪を細かく割れる点が挙げられます。薪が細いほど火がつきやすくなるため、焚き火の最初に使う薪を作るのに便利です。

また、手斧や鉈で割った薪をナイフで削って毛羽立たせて、着火しやすい薪を作る方法もあります。

まとめ

一口に薪といっても、樹の種類や乾燥度合いによって燃えやすさや燃焼時間は大きく異なります。安定した焚き火を楽しむためには、ポイントを押さえた薪選びと用途に合わせた使い分けが大切です。

今回紹介した内容を参考にしていただき、キャンプの焚き火をより楽しんでみてください。

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