冬場のキャンプには特有の魅力があります。冬のキャンプでは、結露に悩まされている方も多いかもしれません。結露を放置するとさまざまな問題が生じるため、対策が重要です。
この記事では、キャンプでの結露対策のアイデアやおすすめのグッズなどを紹介します。
結露の原因と問題点

キャンプでの結露対策を行うなら、結露の原因と問題点を理解することが重要です。ここでは、結露が発生するメカニズムや結露によって引き起こされる問題について解説します。
結露の原因・メカニズム
結露が発生する主な原因は、テント内外の温度差です。
テントの内側で温まった空気が外の冷たい空気に冷やされることで、水滴となって表れてしまいます。
また、テント内の湿度が高まってしまうと、結露が発生しやすくなります。テント内が換気不足で通気性が悪い状態になると、湿度が高まりやすいため注意が必要です。
結露によるデメリット
結露が発生してしまうと、以下のようなデメリットが発生します。
結露による主なデメリット
- テント内にカビが発生する
- テント内のアイテムに悪影響が発生する
- 不快感が高まる
結露による問題としてまず考えられるのが、カビの発生です。カビが発生すれば完全に取り除くことは難しく、ニオイや衛生面で問題になります。また、寝袋が湿気を吸ってしまうと保湿力が低下するため、注意しなくてはなりません。
ガジェット類も、水気に弱いため要注意です。何より、結露が発生してじめじめした状態は不快であり、キャンプを楽しむうえで大きなマイナスだといえるでしょう。
テント内の湿気対策と換気の重要性

結露対策のためには、テント内の湿気を上手にコントロールすることが重要です。ここでは、テント内の湿気を抑えるための具体的な対策や換気方法を紹介します。
テント内の湿気対策
テント内の湿気対策として、以下の方法をおすすめします。
防水性の高いシートやマットを敷く
湿気対策としてまず考えられるのが、防水性の高いシートやマットの活用です。マットやシートの防水対策を行うことで、地面からの水蒸気や人間の汗や呼吸によって発生する水蒸気を抑えられます。結露のもとになる湿気や水分をできるだけテント内から排除することで、結露の発生を防げるでしょう。
就寝時のテント内外の温度差を減らす
結露対策においては、テント内外の温度差を減らすことが大切です。テント内に外気をできるだけ取り入れるようにすることで、テント内外の温度差を小さくできます。あまりに寒くなると眠れなくなる恐れもあるため、水蒸気を発生させない暖房器具や冬用のダウンシュラフなどの活用もおすすめです。
テントの素材にこだわる
テントの素材にこだわることも、結露対策に欠かせません。素材の特徴によって、結露の発生しやすさが大きく異なります。
とにかく換気をする
結露対策では、こまめに換気をすることが非常に大切です。特に寒い季節だと、防寒のために換気を怠ってしまうことが少なくありません。
テントを閉め切ってしまうと、内部で発生した湿気が外に逃げず、結露が発生しやすい状態になります。テントの換気口である「ベンチレーション」を開けておいたり、サーキュレーターを活用してテント内部の空気を循環させたりするとよいでしょう。
テントの選び方と素材の影響

結露対策には、適切なテントの選び方と素材の選択が重要です。ここでは、結露に影響を与えるテントの特性や素材について解説します。
結露を抑えるためのテントの選び方
結露を抑えるためには、テントの特徴にも着目することが大切です。結露対策につながるテントの特徴として、以下の点が挙げられます。
大きめのテント
結露を抑えるためにまず着目したいのが、テントの大きさです。利用予定の人数に対して少し大きめのテントを利用することで、実は結露発生の可能性を低くできます。
テント内の湿気を高める原因は、地面からの水蒸気だけではありません。人間の呼吸も、湿気の大きな要因なのです。テント内の人口密度が高まれば、湿気も増えてしまいます。
そのため、できるだけ大きめのテントを利用することで人工密度を下げて、湿気がこもりにくくするのがおすすめです。各テントの推奨人数を確認し、利用予定の人数よりも少し大きめのテントを選ぶとよいでしょう。
ダブルウォールテント
ダブルウォールテントとは、壁の部分が二重構造になっているテントのことです。
ダブルウォールテントの構造
- インナーシート:内側の壁
- フライシート:防水性能がある外側の壁
インナーシートとフライシートの壁の間に空間ができることで内外の温度差が緩和され、結露が発生しにくい状況を作りだせます。結露が発生したとしてもフライシートの内側に出るため、居住空間が濡れにくくなって快適です。
ベンチレーション付き
ベンチレーションとは、テントの換気口の役割を果たす小窓のことです。ベンチレーションがついていれば換気がしやすいことから、湿度や温度をコントロールして結露発生防止につながります。ベンチレーションの有無や数に着目して、テントを選んでみてください。
結露対策にはどんな素材のテントがよい?
テントの素材も、結露発生を抑えるための大切な要素です。結露が発生しにくいテントの素材として、以下のものが挙げられます。
結露が発生しにくい素材
- TC(ポリコットン)
- コットン
TCは熱を伝えにくく、外気の冷たさをテントの内側に影響させないことから、結露の発生を軽減できます。吸水性にも優れており、水滴が発生しにくい点も魅力です。
また、コットンも、吸水性が高くおすすめの素材です。
結露対策グッズとアイデア

結露防止のために、できることはまだまだあります。ここでは、結露対策のアイデアやおすすめのグッズを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
結露対策のアイデア
結露を防止するためには、これまで紹介したことに加えて以下の対策もおすすめです。
キャンプ場やサイト選びにもこだわる
キャンプ場選びの時点から、結露対策は始まっています。河原のキャンプ場は湿度が高い傾向があり、結露が発生しやすいため要注意です。
また、サイトを選ぶ際にはできるだけ地面が乾いている場所を選ぶと、テント内に湿気が貯まりにくいでしょう。
また、雨の日や雪の日はどうしても湿気が高くなってしまうため、結露を避けるとの観点からはできるだけキャンプ自体を避けた方が賢明です。
インナーシートとフライシートの間隔をあける
ダブルウォールテントを利用する際には、インナーシートとフライシートの間隔をあけることをおすすめします。インナーシートとフライシートの間に十分な空気の層を作ることで、断熱効果を期待できるためです。ペグとガイロープを活用してテントにテンションをかけることで、間隔を空けることができます。
結露対策グッズを活用する
結露対策に役立つグッズの活用は、手軽にできるためおすすめです。何度も使えるグッズや気軽に利用できる価格のグッズなどさまざまなタイプがあるので、目的に合わせて活用してみてください。
結露対策におすすめのグッズ
ここでは、結露対策におすすめのグッズを5つ紹介します。
スノーピーク/フィールドブロワMKT-103

結露がついてしまった場合に、ブロワがあれば吹き飛ばせます。結露を素早く吹き飛ばせることから、テントを片付けたい時にも便利です。また、先端を吸気口に付け替えることで、掃除機としても活用できます。
コンパクトで使い勝手がよいことから、アウトドアグッズの一つとして取り入れてみてはいかがでしょうか。
フォーラル/吊り下げ型除湿シート

テントの中に吊り下げるだけで除湿効果を期待できる、おすすめの製品です。ブルーがピンクに変わったら、天日干しすることで除湿効果が復活します。
結露対策に愛用しているキャンパーも多くいる人気アイテムであり、結露にお困りであれば試してみるとよいでしょう。
スノーピーク/マキタフィールドファンMKT-102

テント内の空気の循環や換気には、サーキュレーターの活用をおすすめします。コンポアクトであるにもかかわらず十分な風量があり、冬にはサーキュレーターとして、夏には扇風機として1年中使用できる点が魅力です。
マタドール/ナノドライタオル

結露のふき取りには、速乾性が高いナノドライタオルをおすすめします。
バスタオルとして使用できることから十分な吸水性を持ち、すぐに乾いてくれる便利なタオルです。突然雨が降った際に身体を拭く用にも使用できるため、持っておくと何かと便利でしょう。
Survivor II/シュラフカバー

寝袋の結露対策には、シュラフカバーがおすすめです。寝袋が湿気を吸ってしまうと保湿性能が下がることがあるため、しっかりと対策してください。
このシュラフカバーは、防水性が高いだけでなく透湿性や保温性も十分。丸めるとリュックの中にも入るサイズになるので、使い勝手のよさは抜群です。
まとめ

キャンプを楽しむうえで、結露対策は重要です。キャンプ場やサイト、テントを選ぶ際にも一定の注意を払わなければなりません。また、テントの設営以降もコツを押さえて行動することにより、結露の影響を最小限に抑えられるでしょう。今回紹介した内容やアイテムを参考にしていただき、ぜひ快適なキャンプを楽しんでみてはいかがでしょうか。